荒くれ者の勲章

 おっとりのお兄ちゃんに比べて、やんちゃすぎる弟のむーちゃん(4yr)は、いつもフラフラ・ピョンピョンして移動します。手を繋いで歩いていると、親は変な体勢で変な力が入ってしまうので腰痛の原因になります。思わず「普通に歩いて、むーちゃん。。」と、専門家らしくない発言も度々してしまいます。今日は、お兄ちゃんとじゃれて歩いていたら、転んだ様で、顔を強打し、首を軸にくるりと回転したそうです(どういうことか想像つきませんが・・)。

 専門家としては、顔の傷よりも、転んだ時に手を着かなかったという「体の使い方」の方に気がいってしまいます。最近、保育園などの巡回相談や教育会議で行動観察をしていると、同じ様に、転んだ時に顔を強打する子どもを多く見かける様になりました。いくつか共通した特徴があるのですが、それは「固有感」と「前庭覚」という感覚の未発達に原因がある様に思えます。固有感とは、自分の体にどのぐらいの力が入っているかという感覚です。前庭覚はバランス感覚です。むーちゃんの場合は、体幹を使って踏み込んだ歩き方が身についていない(固有覚を使ってバランスを取っていない)ために、ちょこちょこしたすばしっこい歩き方になり、よくコケやすい状態にあります。踏み込みが弱いために、転びそうになっても踏ん張ることができないために、手を出す時間もなく顔を打ち付けるという感じです。お兄ちゃんの時は、体幹を鍛える様な遊びを積極的にしていたのですが、むーちゃんには、そのような原始的な遊びはしていなかったかもしれません。斜面を登る/降る様な遊びやトランポリンなどをしていこうかなかなと思います。

 むーちゃんは「荒くれ者」なので、いろんな生傷が絶えません。可愛らしい顔に似合わず、口も悪いですし、4歳らしくない暴言も吐きます。お兄ちゃんを泣かすこともあります。。ただ、親としては、怪我や病気を見るのは辛いので、もう少しおとなしくなって欲しいと願っています。お兄ちゃんの時は、大人しすぎるので活発になって欲しいと思っていました。どうやら、親としては「普通」を希望しているのかなと、ふと気づくことがあります。「普通」なんてないと学生に日々教えているのに・・と思うこともあります。「荒くれ者」の将来が若干心配するこの頃ですが、真剣に叱ると「ただ、寂しかっただけだよぉ〜」とか「甘えたかっただけだよぉ〜」と、悲しい声で意味不明の甘えを見せてきますので、世渡りは上手なのかなと楽観視もしています:苦笑。