「母性」や「父性」とは何か:脳科学的手法を用いたアプローチ

近頃、「イクメン」と呼ばれる「育児に積極的な父親」が話題になっています。これまで、育児といえば「母親」でしたので、心理学の研究では母性に関する知見が多く蓄積されています。しかし、父性に関する研究知見はほとんど見当たりません。これらの母性・父性の研究においては、お母さん・お父さんを対象にアンケートを実施することが多いのですが、その場合は「望ましい親としての自分」について回答してしまうことが多いことが研究上の問題としてあげられています。
本研究では、小さな子どもを見ると、思わず微笑んでしまう、赤ちゃん語になってしまう、などの対児感情について、脳血流装置を用いて測定を試みます。育児参加の多さ(育児量)を統計的に均一とした場合、「母性と父性には差があるのか?」「保護者と子どものいない大学生との間に対児感情の差があるのか?」など、育児や保育に関する知見が得られることを期待しています。
実験実施者の紹介
- 伊藤 匡哉(研究実施者):名古屋学芸大学幼児保育専攻 4年・保育士(予定)
- 杉山 瑞奈(研究協力者):名古屋学芸大学大学院 修士課程・養護教諭1種
- 神谷侑希香(研究協力者):名古屋学芸大学ヒューマンケア学部 助手・養護教諭専修
- 大村安寿弥(研究協力者):名古屋学芸大学ヒューマンケア学部 助手・看護師
- 今井 正司(研究責任者):名古屋学芸大学心理コース 准教授
早稲田大学応用脳科学研究所 招聘研究員;臨床心理士
実験手続きの概略:3ステップ
- 光トポグラフィーという装置をお父さん・お母さんの額に2箇所つけさせていただきます。
- お父さん・お母さんには、それぞれ「絵本」を音読していただきます。
- 絵本は短い内容で同じものを、音読(読ませる相手なし)・大学生・他人のお子さん・自分のお子さんに連続して読んでいただきます(間には短い休憩が数十秒入ります)。

光トポグラフィーは、人体に無害な脳血流装置です。乳幼児を対象とした脳科学の研究の多くは、この光トポグラフィーを用いています。今回の実験では、保護者の皆様に装着をしていただきます。
左の写真の黒いシリコン素材のシートをおデコに貼る形で装着させていただきます。その際には医療用両面テープを使用いたします(最上部の写真では、幼児がこの機材を頭に装着しております)。
託児があります:安心して実験に参加いただけます
実験に参加いただくお子さんが安心して実験に参加ができるように、幼児保育専攻(保育士・幼稚園教諭の養成専門コース)の学生が託児をいたします。また、出番を待つお子様だけでなく、保護者の皆様にもくつろいでいただけるように、実験室とは別の休憩室(待機室)を用意しております。
実験スケジュール
実験は、11月と12月の土曜日(午前)に名古屋学芸大学ヒューマンケア学部棟にて行います。保護者の皆様のご希望日をうかがいながら、調整さえて頂きます。
臨床心理士による育児相談も可能:希望者のみ

ご希望の方には、子どもの発達を専門とする臨床心理士が、実験後に子育て相談をお受けます(もちろん無料です)。ご希望の方は、あらかじめ、その旨と相談内容の概略をお伝えいただけましたら幸いです。時間は30分ほどを予定しております(その間の託児も可能です)。
実験参加の謝礼:保護者の方とお子さんの両方に謝礼があります
本研究に参加いただいた保護者の皆様とお子さんには、ささやかではありますが謝礼と記念品を用意さえていただいております。保護者の方にはJCBギフト券 2,000円分 を、お子さんには以下の記念品から1つをお選びいただけるようになっております。
・アニア・アニマルフィギア ・妖怪ウォッチシール ・トミカのミニカー
・プリチケ ・アイカツのシール ・アクアビーズ
・ベビータオル ・乳幼児おもちゃ ・木製パズル
実験参加の予約フォーム

本実験に参加いただけるご家族の方(お子さんが4歳まで)は、以下の問い合わせフォームから、ご送信をお願いいたします。後日、担当者(伊藤)から、ご返信いたします(実験場所住所は日進市竹の山になります)。
問い合わせフォームには、連絡がとりやすいメールアドレスの記入をお願いいたします(本実験以外にメールアドレスの情報を利用することはございません)。
なお、本実験は「絵本の音読」に集中力を要しますので、服薬中の方や怪我や病気で通院されている方は、ご遠慮いただいております。
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右のポスターをクリックすると拡大判を見ることができます(ダウンロード可能)。