Neurobehavioral Education and Therapy:神経行動教育学

 今井研究室では「神経行動教育学」に力を入れています。神経行動教育学という分野は、今井ゼミが開発している研究領域です。近年、教育分野においては、神経科学の知見を生かした神経教育学(Nuro-Education)が欧米諸国で研究が進められています。今井研究室では「神経行動学」の視点を取り入れた教育(神経行動教育学)のアセスメントと支援方法の開発と評価を目指しています。

現在実施している研究テーマ

  • 社交不安者における注意バイアスと前頭前野の活動
  • 強迫性障害を有するものに特徴的な情報入力時の注意バイアスとその制御の関連
  • 児童における場面緘黙の維持要因の検討:注意制御機能からアセスメントと支援を検討
  • 学校における児童の慢性疲労症状と学習パフォーマンス:生活習慣と注意能力の関連から検討
  • 親が子に教える時の「共感」の状態:母性と父性の相違を「教育」から検討する
  • 実行機能の促進が教育現場における社会性訓練の効果促進に及ぼす影響
  • 子どもの注意制御の促進が感情制御に及ぼす影響
  • 発達障がいを抱える児童生徒への神経行動教育学的支援の開発と評価

神経行動教育学の勉強会:NIRSと視線追尾装置の同時計測法について

 今井ゼミではNIRS(脳血流装置)とEye-Tracking(視線追尾装置)の両システムを連動させ、同時計測を行いかながら実験を行います。日立社とNAC社のご協力のもと、スピーチ場面における注意制御に関するデモ実験を行いました。NAC社のEye-Trackingは、キャリブレーションフリーが可能です。また、画面を使用しない独立型(スタンド・アロン型)にして、視線追尾も計測できます。 

  右の写真は、キャリブレーション・フリーの機能を使って、画面に提示される写真を見ているときの視線と脳血流を同時計測しているデモ実験場面です。刺激の提示方法も簡単に操作でき、また、分析ソフトも充実しているので、さまざまな研究に活用できそうです。今井研では、視線注意から幼児の認知発達、共感性、恐怖症、社交不安、発達障害、学習支援など様々な領域で使用されます。

 左の写真は、Eye-Trackingを独立型にして、視線と脳血流の同時計測をセッティングしているところです。数年前に実施した接触型のEye-Trackingを用いた視線計測実験(社交不安者が対象)では、残念ながら脳血流が計測できませんでしたが、このような独立型であれば、非接触型の利点がさらに活かせることになります。社交不安研究のほか、発達障害児における対話場面の研究に使用しています。

神経行動教育学の勉強会:Pocket NIRS Duo の使用法について

 左の写真は、幼児を対象に注意持続に関するでも実験をしている様子を撮影したものです。dynasense 社のNIRSのプローブは、シリコン素材でできており、簡単に額に貼れるため、子どもを対象にしたNIRSの測定に適しています。また、キャリブレーションも非常に簡易で、制御はPCのほかにタブレットを使用できます(機材も小型で正にポケットサイズです)。

  左の写真は、大学生(ゼミ生)に注意制御課題を実施している様子を撮影したものです。プローブは大人用と子ども用の2種類が用意されていますが、女性は子ども用を使用した方が計測しやすいです。非常に軽量ですので、書字課題などを実施する場合は、頭が必要以上に下向きにならないことから(計測誤差が生じやすい)、有用なツールとなります。

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接触型視線追尾装置の研究デモ

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